化学【4分でわかる】酸・塩基のアレニウスとブレンステッド・ローリーの定義

アレニウス 化学オンライン講義

【練習問題付き】酸・塩基の定義の仕方であるアレニウスの定義、ブレンステッドとローリーの定義。その違いと酸・塩基の判断の仕方、塩基とアルカリの違いなど、例を示しながらわかりやすく解説します。解説担当は、灘・甲陽在籍生100名を超え、東大京大国公立医学部合格者を多数輩出する学習塾「スタディ・コラボ」の化学科講師です。

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酸・塩基の定義(塩基とアルカリの違い)

塩酸や硫酸、硝酸などの「酸」と水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム、アンモニアなどの「塩基」について解説していきます。

「塩基」と「アルカリ」の違いについて解説します。

小学生の時にも習い、馴染みがある「アルカリ」というのは、「塩基」よりも少し狭い概念です。

「塩基」の中で水に溶けた物が「アルカリ」なのです。つまり、「塩基」は水に溶けていないものも含みます。

では、どのようにして「酸」と「塩基」が定義されているのでしょうか。

高校化学では、「酸」と「塩基」にはアレニウスによる定義と、ブレンステッドとローリーによる定義の2種類があります。

 

アレニウスの定義

とは、水溶液中で水素イオンH+を放出する水素化合物のことです。

塩酸HCl → H+ + Cl

硫酸H2SO4 → 2H+ + SO42

硝酸HNO3H+ + NO3

酢酸CH3COOH → CH3COO + H+

生成した水素イオンH+は,水溶液中では水分子と結合してオキソニウムイオンH3O+

として安定に存在しています。

 

塩基とは、水溶液中で水酸化物イオンOHを放出する物質のことです。

水酸化ナトリウムNaOH → Na+ + OH

水酸化カリウム KOH → K+ + OH

水酸化カルシウムCa(OH)2 → Ca2+ + OH

アンモニア   NH3 + H2O → NH4+ + OH

 

しかし、アレニウスの定義には欠点がありました。

(ⅰ) 「水溶液中」と限定しているため、水以外を溶媒とする溶液中の場合など酸・塩基の区別ができない。

(ⅱ) そもそも水にほとんど溶けないFe(OH)3やAl(OH)3が塩基であることの説明ができない。

(ⅲ) ヒドロキシ基-OHをもたないアンモニアは、OHを放出しているとは言い難く、実質的に塩基性を示すことの十分な説明ができない。

 

このため、新たにブレンステッドとローリーが酸と塩基の定義を提唱しました。

 

ブレンステッドとローリーの定義

とは水素イオンH+ を与えることのできる物質であり,塩基とは水素イオンH+ を受け取ることの

できる物質である。

と定義しました。「水溶液」と限定していないため、上記の欠点の2つが解決されます。アンモニアに関しては具体例をもとに説明していきます。

 

【例1】塩酸HClと水H2Oの反応について

ブレンステッドとローリーの定義反応例①

この反応では、HClがH+を放出して自身はClとなり、放出されたH+をH2Oが受け取りH3O+になります。そのため、ブレンステッド・ローリーの定義によれば、HClが酸として働き、H2Oが塩基として働いた事になります。

 

【例2】水H2OとアンモニアNH3の反応について

ブレンステッドとローリーの定義反応例②

この反応では、H2OがH+を放出して自身はOHとなり、放出されたH+をNH3が受け取りNH4+になります。そのため、ブレンステッド・ローリーの定義によれば、H2Oが酸として働き、NH3が塩基として働いた事になります。

 

【例3】水酸化鉄(Ⅲ)Fe(OH)3と水素イオンH+の反応について

さて、それでは

Fe(OH)3  + 3H+ → Fe3+ + 3H2O

の反応だといかがでしょうか。

 

H+のやりとりには見えないですよね。

こういうときの裏技があります。

ブレンステッドとローリーの裏定義です。(正式名称ではありません)

塩基とは水酸化物イオンOH を与えることのできる物質であり,とは水酸化物イオンOHを受け取ることのできる物質である。

 

ブレンステッドとローリーの定義反応例③

この「裏定義」をもとに考えると、Fe(OH)3がOHを放出して自身はFe3+となり、放出されたOHをH+が受け取りH2Oになります。そのため、Fe(OH)3が塩基として働き、H+が酸として働いた事になります。

 

まとめ

灘・甲陽在籍生100名を超え、東大京大国公立医学部合格者を多数輩出する学習塾「スタディ・コラボ」の化学科講師より酸・塩基の定義の仕方であるアレニウスの定義、ブレンステッドとローリーの定義について解説を行いました。しっかりと覚えておきましょう。

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