【例文付き】「於・乎・于」を「おいて」と読んでいるときもあれば、訓読しない置き字として使われているときもあります。みなさんはどのように判別するのか理解できていますか?
本記事では、現役灘高生が「そういうことだったのか!!」と絶賛した、大手予備校講師 力石智弘先生(河合塾、四谷学院など)の著書『脳TEC漢文(ドゥクエスト)』より、その判別方法をご紹介します。
「於・乎・于」が“置き字”なのか“おいて”と読むかの判別法
前提として、漢文では、修飾語は以下の構文ルールに従います。
ずばり、「於・乎・于」が“置き字”なのか、“おいて”と読むのかの判断方法を以下に示します。
※ごくまれに例外があります。
「於・乎・于」を“置き字”としている具体例
「私は鳥が鳴いているのを見ている」という文に、「庭で」という場所の情報が補足説明されています。「於庭」の二字は「鳴」の直後に置かれているので、「鳥が鳴いている場所」を補足説明しています。
つまりこの文は、
私は、鳥が庭で鳴いているのを(どこかで)見ている。
となります。
助詞は送り仮名で表現しなければならないという漢文の原則に従うと、「庭」に助詞「ニ」という送り仮名をつけて表現しているため、「於」自身は読むことができません。これが置き字としての用法です。
「於・乎・于」を“おいて”と読む具体例
それでは、次に「おいて」と読む場合はどのような文となるでしょうか。
私が見ていた場所が「庭」であることを表す表現となっています。
「見」は動詞なので、連用修飾語である「於庭」は後ろから修飾することもできるため、「於庭」の直後に「於庭」を置いても構いません。
しかし、それよりも「見」の直前に置いた方が、修飾関係は明確になるので、上のような例文となっています。
このように、「見」を前から修飾している「於庭」は後ろから修飾する補足説明ではないため、「於」は置き字にしません。必ず「於いて」と読んで、他の前置詞と同じように扱いましょう。
まとめ
力石智弘先生の著書『脳TEC漢文(ドゥクエスト)』より、「於・乎・于」が“置き字”か“おいて”と読むかの判別法を抜粋しました。
センターの白文問題に対応する実力を付けられるよう、根本的に理解しておきましょう。
『脳TEC漢文』著者:力石 智弘先生
河合塾、四谷学院など予備校・学習塾で活躍する現役ベテラン国語講師。京大理学部という理系出身こその論理的な解法と多種多様な知識・経験から繰り出される授業は最高傑作と評される。東大模試の作成や、神戸大学個別試験(国語)の解答速報作成(新聞にて掲載)など多岐にわたり活躍中の実力派講師。