漢文【5分でわかる】返読文字「有・無・多・少」はこれで完璧

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【例文付き】漢文において返読文字とは、日本語と逆の語順になるため、下から返って読まなければならない漢字のことです。返読文字は、構文・語順を理解し、センター試験頻出の白文問題に対応するためには重要です。本記事では、「有・無・多・少」の例文と意味、読み方、働き、覚え方について、大手予備校一流プロ講師が構文レベルから詳しく解説します。

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返読文字の入試頻出文字一覧

漢文(中国の古典語)はもともと外国語なので、日本語とはまったく異なる構文です。特に、動詞(他動詞)と目的語の関係、助動詞と動詞(などの自立語)との関係は日本語と正反対であり、そのため返読する必要がありました。

返読文字とは、そのような「他動詞」や「助動詞」以外に、日本語と逆の語順になる漢字のことです。

 

入試で頻出となる返読文字は以下です。

① 有無を表す表現 …「有」「無」「多」「少」
② 認定を表す表現 …「難」「易」「欲」「得」「不得」「能」「不能」
③ 前置詞的・接続詞的なもの …「為」「以」「自」「従」「於」「乎」「于」「雖」
④ 「与」
⑤ 「所」「所以」

 

その他の返読文字については入試で必要な5種類の返読文字一覧まとめを参照してください。
これらの覚え方は、【漢文】暗記嫌いでもスイスイ覚えて満点を取れる脳科学式勉強法を参照してください。

 

以下では覚えるためのイメージ付け、例文を解説していきます。

 

今回は、① 有無を表す表現 …「有」「無」「多」「少」

の解説をしていきます。

 

有無を表す返読文字 …「有」「無」

 

「有益」「無人」のように、「有」「無」という漢字は、その後ろに主語が来ます。

つまり普通のSV構造とは異なり、日本語とも語順が異なります。

まずは「有」の例文から。

 

返読文字1「有」例文

 

この文は「有」が述語動詞、その後に続く表現がその主語です。

しかし、「能」だけが主語なのか、それとももっと長いのかは形の上では分かりません。

文の意味(あるいは前後関係)から解釈することになります。

この文の場合は、「能力があって漢文を読む人。」もしくは「漢文を読むことのできる人がいる。」のいずれかの妥当性を考えるのですが、一つ目の解釈だと文全体の述語がなくなることになるので、後者の解釈がよい、ということになります。

ちなみに、「有……者」の形の場合は、「有」の主語はほぼ「……者」全体になります。

このため、訓点の付け方及び書き下し文は、次のようになります。

 

返読文字2「有」例文

 

「能」という字は、「……する能力がある」「……することができる」という意味を表す副詞です。意味的には「べし」と同じ助動詞的なものですが、「よく」という「形容詞の連用形」で読み慣わしています。

 

次に「無」であるが、用法は「有」とまったく同じです。

 

返読文字3「無」例文

 

この文には「者」がないので、どこまでが主語かは意味上の判断によります。

「従」だけを主語と考えると「王」が浮いてしまうので、「従王」の二文字が主語だとして構いません。この二字は「従う王」「王に従う(こと、もの)」の解釈がありますが、より自然な「左右(側近)には王に従う者はいなかった。」の意味で取っておきましょう。

訓点の付け方及び書き下し文は、次のようになります。

 

返読文字4「無」例文

 

有無を表す表現 …「多」「少」

 

「有」「無」と同類のものとして、「多」「少」も挙げておきましょう。

 

返読文字5「多」例文

 

「花発」のSV構造の下に、「風雨」が「多」いという構造が並んでいます。せっかく花が開いたというのに、風もよく吹き雨もよく降るので、すぐに散ってしまうという惜別の情を述べたものです。訓点の付け方及び書き下し文は次のようになります。

 

返読文字6「多」例文

 

まとめ

 

力石智弘先生の著書『脳TEC漢文(ドゥクエスト)』より、返読文字一覧と「有・無・多・少」の例文を抜粋しました。

 

センターの白文問題に対応する実力を付けられるよう、根本的に理解しておきましょう。

 

『脳TEC漢文』著者:力石 智弘先生

河合塾、四谷学院など予備校・学習塾で活躍する現役ベテラン国語講師。京大理学部という理系出身こその論理的な解法と多種多様な知識・経験から繰り出される授業は最高傑作と評される。東大模試の作成や、神戸大学個別試験(国語)の解答速報作成(新聞にて掲載)など多岐にわたり活躍中の実力派講師。

力石智弘講師

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