必読! 世界史・日本史などの一問一答の使い方と覚え方

脳科学式勉強法

一問一答からは逃げられない!

暗記がとても得意で大好きだ!というごくごく一部の人たちを除いて、受験勉強を通してたくさんの暗記作業に追われる受験生の方々は分厚い一問一答を手にしてうんざりしてしまうかもしれません。しかし、暗記作業という一見単純な作業が、受験の結果を大きく左右するというのは残念ながら事実なのです。私も暗記が苦手だったので、あまり言いたくありませんが、心を鬼にして言うと、いくら理解したところで結局はそれを暗記しないといけないという知識は案外多いものです。

暗記は一見、簡単な作業に思えますが、気合だ!とか、繰り返しだ!とかいう感覚的でがむしゃらな勉強法を続けてもなかなかうまくいかないのが現状です。頑張っているのになかなか覚えられなくて不安だなあと思っている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では一問一答の使い方と暗記方法を詳しく解説していきたいと思います。受験でいい結果を残すために、効率的な暗記方法を身に付けましょう!

一問一答に取り組む場所・時間

まずはじめに、そもそも一問一答をいつ・どこで勉強するのか、ということを考えていきましょう。勉強にあてることができる時間は有限ですから、机に向かって一問一答をすることはあまりお勧めできないです。(もちろん各科目の仕上がりのバランスによって必要となってくるときもあるので、その辺りはご自身でキチンと管理されてくださいね)移動時間が長い人は特に、その時間を一問一答に取り組む時間にあてるなど、時間を有効活用できるとよいですね。私の友人にはお風呂の中で一問一答をしているという強者もいました!笑

さてそれでは、一問一答って、具体的にどういう風につかって勉強すればいいのでしょうか?

ポイントをお伝えしますね。

一問一答の覚え方の鉄則は、関連させること!

一問一答の最終目的はやはり、暗記事項を覚えることですよね。しかし、どの科目にも言えることですが、丸覚えするだけでは、問題を解きこなすせるようになるわけではありません。一問一答はあくまでも何らかのストーリー上や論理的展開上にでてくる受験必須知識を、暗記する用語リストとして一問一答形式にしたものにすぎないのです。一問一答にならんでいる単語は全てその科目を習得するのに必要な知識といえるんですね。

逆に言うと、一問一答に登場する単語は、何かの流れの中でその科目に登場する単語なのですから、科目全体の中で、その単語がどのような分野(歴史ならば時代)に登場するかを位置づけることができるのです。

一問一答を覚えるにあたってのコツは、関連付けることです!

脳の特徴として,連合性というものがあり,物事は何かに関連させたほうが覚えやすいということが脳科学的にいえるんです。例えば,”0817”は多くの人にとってはただの番号の羅列でとても覚えにくいですが8月17日に生まれた人にとっては,自分の誕生という重大な事実と関連しますから覚えやすい数字の羅列である,というのはこの連合性からきているんですね~。

この連合性をうまく利用し、覚える効率をアップさせてやるために、科目全体の中で、その単語がどのような分野(歴史ならば時代)に登場するかを位置づけながら一問一答をすすめていただきたいのです。

例えば、日本史や世界史の一問一答を進めていくときは、自分が通史でいうとどの部分の単語を覚えているのか,というのを意識して,単語・年号を覚えていきましょう。こうすることによって覚えやすくなります。

この点で、暗記科目であったとしても、最初から一問一答に取り組むよりは、科目の全体像をつかんでから一問一答を始めるという計画をしたほうがよいと言えるでしょう。

一問一答は忘却曲線を意識し繰り返し復習する

どんどん覚えては抜けていく知識に疑心暗鬼になってしまう人も少なくはないと思います。声を大にして言います。忘れるのは当たり前!!!!そんな誰もが持っている,ものを忘れる,という性質とうまく付き合うことが大事なんです。

忘却曲線という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?下のグラフが、忘却曲線です。

特に記憶の強度が低いうちは、思い出すことが難しく、グラフのようにどんどん思い出せなくなります。この「忘れる速度」は誰でもほとんど変わらないことがわかっています。 しかし、一気に情報を詰め込みすぎると、記憶が干渉し、曖昧になり、グラフよりも早く忘れてしまうのです。

効果的な学習を目指すうえで心に留めておいて欲しいポイントは,

  1. 忘れかけてきた頃に復習を行い、また次に忘れた頃に復習と繰り返す。そうすることで,何度も見ることで脳が重要だと認識し、長期記憶に移してくれる。
  2. 記憶の干渉を避けるため、一日あたりに情報を詰め込みすぎないようにすること。

なお,復習のサイクルは,次のようにすると最適であると言われています。

  • 学習した翌日に1回目の復習
  • その1週間後に2回目
  • 2回目の復習から2週間後に3回目
  • 3回目の復習から1ヶ月後に4回目

これを一問一答に適応して考えると、一問一答に取り組むときは、小刻みに、計画的に、繰り返すということが、知識定着の秘訣だと言えますね!!

一問一答の単語は見ているだけでは効率的とはいえない!!

一問一答を電車で眺めているだけで全部覚えることができればそれほどに良いことはないのですが、残念ながら難しいですよね。どうしたらいいのでしょうか?

ここでも脳の性質をうまく利用して効率アップを図りましょう!!ここで、脳の性質を紹介します!

新しい情報は、脳内の『海馬』という短期記憶の場所に入ります。 海馬はとても小さいので、不可欠か、または生命にとって危険かどうかを判断して、ほとんどのものは夜寝ている間に消去され、重要なことから順番に「長期記憶」の場所に移されていきます。 「長期記憶」は、大脳皮質というところで長期保存してくれます。 そこはきちんと情報も分類・整理されている保管場所になっています。 つまり、学習内容を覚えるためには、脳に、いかに重要と思わせるかがカギとなります。例えば、『海馬』のすぐ隣にある『扁桃体(へんとうたい)』という、小さな脳の部位は、記憶の結びつきを強くするのに大きな役割を果たしています。 この『扁桃体(へんとうたい)』は、感情を生み出すところで、喜び、悲しみ、不安などを作り出します。 『海馬』とは隣同士なので、感情の起伏があると『扁桃体(へんとうたい)』が『海馬』を刺激し、『海馬』は重要な情報だと察知し、より記憶しやすくなるので、強く印象に残った思い出は、喜びや悲しみや痛みと共にたった1回の経験だけでもいっぺんに記憶に残ります。 つまり、出来る限り五感を刺激すると、記憶しやすくなります。 そのため、生命維持に関わること以外でも、とても印象深いもの、感動を受けたもの、何度も見たものなどが長期記憶へと移されていきます。

ViCOLLA ホームページより引用

このように五感を刺激することによって、覚えやすくなるんです。そうです。世界史の単語も、書いたり、音読したりすることでよりよくおぼえられます。

一問一”答”は,”答える”という作業を意識する

これらに加えて、しんどいことかもしれないけれど、問いに答える、という作業をこなすという意識を持ちつつ取り組んでいただきたいんです。頭を使いながら、ということですね。


一問一答って大体の場合、赤シートで重要語句の部分が隠れるようになっていますよね。

私自身は、とりあえず繰り返しみていれば覚えるだろうなあと考えていたので、赤シートで隠してもどうせわからない単語がほとんどだし、知識を引き出すという手間もしんどいから、何度も何度も見ることでその手間から逃れようとしました。結果的に暗記するのに大量の時間を奪われとても苦しみました。。。

実は,脳科学的にも、問題を解かないといけないという状況下の方が覚えやすいということがわかっているんです。

なんども、忘れて思い出すという作業を繰り返さねば、確固たる知識は身につきません。二次で世界史を使う人は特に,記述や論述などの選択肢の無い問題を解きこなせるようになるためには定着した知識が必要ですから、手を抜かずに頑張ってくださいね。

手を抜くと世界史のみでなく,そのせいで時間が奪われ他の科目の勉強にも影響しますから!

一問一答の使い方と覚え方 まとめ

少し長かったですが、最後まで読んでくださってありがとうございます。まとめです!

  • 一問一答は隙間時間の活用にピッタリ!
  • それぞれの単語を科目のなかで位置づけて、関連させておぼえていく!
  • 見ているだけではなく、読んだり書いたりすることで覚えやすくする!
  • 何度も見ればよいのではなく、知識を引き出すという作業を繰り返すことが大切!

直観的にがむしゃらに頑張るよりも、論理的に効率的だといえる方法で、頑張っていきましょう。