【例文付き】漢文とはもともと「古典中国語(白文)」という外国語です。つまり“文法体系”(=語順)が日本語と違います。このため、語順を変えて日本人が読めるようにするために「返り点」を付け、その過程で“縦棒(ハイフン)”を使うことがあります。本記事では縦棒の付け方のルールと意味を完全理解できるよう大手予備校一流プロ講師が徹底解説します。
目次
縦棒(ハイフン)の前に!漢文の返り点「レ点」「一二点」の付け方と読み方(書き下し文のルール)の確認
漢文では、動詞の目的語は、英語と同じく、動詞の後に置かれます。
VO構造は日本語とは順序が逆になるので、返り点が必要です。
目的語が一字の場合は「レ点」などを用います
例文1
例文2
例文3
それぞれ一字目が「主語」、二字目が「述語動詞」、三字目が「目的語」です。
このように、一字から返る場合は「レ点」を用います。
目的語が二字以上の場合は「一二点」などを用います。
目的語が二字以上の場合は「一二点」などを用います
例文1
例文2
それぞれ一字目が「主語」、二字目が「述語動詞」、三字目以降が「目的語」です。
このように、目的語が二字以上の場合は「一二点」などを用います。
ここで用いられた「一二点」は、その間に挟まれた部分が塊になって前の動詞に「返る」ことを表しています。
縦棒(ハイフン)の付け方と意味
ずばり!
動詞や形容詞などが2語以上の熟語のときに縦棒(ハイフン)を用います。
述語動詞が二字(以上)の場合、例えば「観察」の場合、
この文では「鳥鳴」の塊から「観察」の塊に返ることになります。「二点」を付ける場所は、「鳴」の次に読む漢字である「観」ですが、ここに二点と付けるだけでは「察鳥鳴」が塊になってしまいます。そこで、「観察」を塊にするために「観」と「察」をハイフン「|」でつなぎます。
まとめ
力石智弘先生の著書『脳TEC漢文(ドゥクエスト)』より、縦棒(ハイフン)の使い方と意味(役割)を抜粋しました。
センターの白文問題に対応する実力を付けられるよう、根本的に理解しておきましょう。
『脳TEC漢文』著者:力石 智弘先生
河合塾、四谷学院など予備校・学習塾で活躍する現役ベテラン国語講師。京大理学部という理系出身こその論理的な解法と多種多様な知識・経験から繰り出される授業は最高傑作と評される。東大模試の作成や、神戸大学個別試験(国語)の解答速報作成(新聞にて掲載)など多岐にわたり活躍中の実力派講師。