【練習問題付き】元素とは、物質をつくる基本的な成分であり、単体というのは、1種類の元素からなる物質のことです。問題文中で見分けるとっておきの秘訣があります。実際の入試問題3問と解説で完璧にしましょう。解説担当は、灘・甲陽在籍生100名を超え、東大京大国公立医学部合格者を多数輩出する学習塾「スタディ・コラボ」の化学科講師です。
目次
元素の定義
元素とは、物質をつくる基本的な成分のことです。
具体例としては、H(水素)やC(炭素)、O(酸素)などの元素記号そのままのカタチです。
単体の「H2(水素)」という物質をつくるための成分である「H(水素)」、単体の「O2(酸素)」という物質をつくるための成分である「O(酸素)」、単体の「C(黒鉛やダイヤモンド)」という物質をつくるための成分である「C(炭素)」という認識を持ちましょう。
単体の定義
単体というのは、1種類の元素からなる物質のことです。
例としては、O2,H2,N2,Feなどです。
これに対して、複数の元素からなる物質は化合物といいます。
化合物の例としては、H2O,NH3 ,NaClなどがあります。
元素と単体の違いの見分け方
これまでの説明から分かる通り、単体や化合物という具体的な物質を構成している成分が元素ということです。
つまり問題文での見分け方としては、
- 具体的な“物質”を指している場合は単体
- 物質の成分である原子レベルを指している場合は元素
と考えましょう。
以下の練習問題で考え方に慣れてください。
練習問題
練習問題1(2012年 明治薬科大)
次の (ア)~(オ) のうち,下線を引いた部分が元素ではなく単体を指しているものはどれか。
(ア) カルシウムは,人体の一部を構成している。
(イ) 水は酸素と水素から構成される。
(ウ) 酸素とオゾンは共に酸素の同素体である。
(エ) 人間の体重の約 60 % は酸素の重さである。
(オ) リチウムは水と激しく反応して水素を発生する。
練習問題2(2006年 神戸薬科大)
「水素」,「酸素」 などの語句は,元素の名称としても,また,単体の名称としても用いられる。次の記述のうち,下線部の語句(酸素)が元素を表しているもののみをすべて含む組合せはどれか。
(ア) 水を電気分解したところ,酸素と水素が発生した。
(イ) 水は,酸素と水素からなる。
(ウ) 地殻全体の質量の約47%は酸素である。
(エ) アルコールやエーテルは,酸素を含む有機化合物である。
練習問題3(1995年 センター試験)
元素名と単体名とは同じものが多い。次の記述 ① ~ ⑤ の下線部が,単体でなく,元素の意味に用いられているものを 1 つ選べ。
① アルミニウムはボーキサイトを原料としてつくられる。
② アンモニアは窒素と水素から合成される。
③ 競技の優勝者に金のメダルが与えられた。
④ 負傷者が酸素吸入を受けながら,救急車で運ばれていった。
⑤ カルシウムは歯や骨に多く含まれている。
まとめ
灘・甲陽在籍生100名を超え、東大京大国公立医学部合格者を多数輩出する学習塾「スタディ・コラボ」の化学科講師より元素・単体の見分け方の講義と練習問題の解説を行いました。しっかりと覚えておきましょう。